そもそも掛軸ってどんな風に作られてるのでしょう?

上記の質問をして、いままでで一番多い答えは・・・・・
「布の上に紙を貼っている」 というのが圧倒的出来でした。。。。
まあ見た目からすればまさしくその通りなのですが・・・・
そのような状態ならそもそも掛軸師なる自分の存在意義はあまりありません、
だれでも出来てしまいますので・・・・
やはり、それなりの技術を売り物とし提供している者としては そんなことでは掛軸師は名乗れません・・

ここで掛軸がどんなにすばらしく、素敵なアイテムかを 語らせていただきます。
私の考える掛軸の定義として、「巻ける・鑑賞・保存」という 定義があります。
この3つの定義をすべて満たして初めて 掛軸というものになると思います。

巻ける・・・当然掛軸ですから収納や持ち運びしやすいように 巻けなくてはなりません、
巻く事ができても、折れ目が付いたり してしまうようでは駄目です!! 
※布の上に紙を貼るとうまく巻けません←うまく巻けるように作るのがプロのポイント

鑑賞・・・・当然掛軸は壁に掛けて鑑賞することも出来なくては なりません、
ここでしっかりとしたデザインや色のバランス、部屋の 雰囲気などもトータルで考えないと、
空間を壊し部屋の雰囲気等を 台無しにしてしまいます!!

また作りが粗雑だと、そもそもに鑑賞する 気もおきませんので、
しっかりとした軸を作る技術が重要になってきます。


そして最後に 保存・・・・これがノボリやタペストリーと大きく相違する所で、 
作品、いわゆる皆様が掛軸を見る時に一番最初に目がいくであろう場所 真ん中の本紙部分です、
絵や書がある部分です。 この作品を後世に残していくために保存をしていくという特徴が掛軸にはあるのです。

さてさて、そんな掛軸の定義を語ったあとに、本題の掛軸はどんな風に作られてるの?????

掛軸を作る上で欠かせないのでが裏打という作業です、この裏打という作業を繰り返しながら
掛軸を作っていくといっても過言ではありません!!

で、裏打とは? 対象物(作品等)に対してその裏側に、糊を付けた和紙を貼り付けることで
対象物に強度をもたせると共に、きれいな状態を作り出すことです。←かなりざっくり・・・

その他裁断や耳折といった、地味な作業ながら意外と重要な技術を駆使しながら掛軸を1幅作りあげていきます。
※ちなみに掛軸の数え方はは1幅(ぷく)と呼びます

 

下記のイラストでは、皆様が抱く掛軸の構造と、掛軸師ががんばって作った掛軸の構造です。

※一般的な三段表具を例にとっておりますが、工法や形式によって変わります。

どうでしょうか??

実際の掛軸の作りは作品・本紙を中心に層を厚くして作品を守っている状態になっております。
まさに、「日本の食べられないミルフィーユや~」・・・・彦麻呂さん風で・・・・・

まあ、そんなくだらないことは置いといて、、、、、

では一言!!!

「このように、掛軸を制作するには色々な技術や手間がかかってきます
けしてペタリと上に貼ってるわけではございませんので、誤解なさらぬようお願い申し上げます。」